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2011/02/08

春の海

気持ちが窮屈になってきたので、お店を開ける前に海へでかけました。

干潮、西風で、求めていたいつもの潮の薫りがありませんでしたが、海面にキラキラとかがやくおひさまの光が、脳内の緊張をやさしくほぐしてくれます。
緊張がほぐれたら、体の内側から声を出したくなります。(いつも思うのは、病院の入院施設に発声していい場所を設けたら、患者さんのストレスがかなり減るのではないかな、と。心配かけるからと家族にも言えない気持ちやストレスを、自由な発声で少し昇華できると思うのです。)
体を自らの声でふるわせます。
自分以外の音ではなくて、自分の音で自分を癒してゆきます。

出したい音程をロングトーンで。
高く、低く、自由に、感じるままに。
深呼吸して、もう一度。
ああ、自由だなぁ、と深いところから感じるころ、音はだんだんひとつのメロディになってゆきます。

  
「ジョナサン、ジョナサン、私は飛べているかい。」

ココロの中で問うてみます。

北から、大きいカモメが飛んできました。

嬉しくなって、目の前を通過しようとしているカモメに
「おーい、ここだよ!」とココロで呼びかけます。
カモメは、私と太陽の間でクルリと体勢を変え、こちらへ一度向いてから、再びクルリと一回転し、南西へと飛び去りました。
いつも誰かが見ていてくれること。 
いつも誰かが応援してくれていること。
目に見える人も、目に見えない人も、さまざまな美しい存在が、もれなくみんな一人一人に。
ありがたいなぁ。 

帰り際には波に手を浸して、海水の美しい透明さに焦点をあてます。
 
もうすぐ開店時間。
後ろ髪をひかれながら帰途につきます。
車のラジオからはアンサリーの歌声。
 
アンサリーは丁度、
「なんてすばらしい世界」
と歌っていました。(追記.『あたらしい朝』という歌でした。passageさん、いつもすてきな音楽をありがとうございます。)