お客様に絵本をお借りしました。
【ここが家だ—ベン・シャーンの第五福竜丸】
絵:ベン・シャーン
構成・文:アーサー・ビナード
集英社
定価 1680円
小学生の3年生くらいから読めると思います。
また、大人が読んでも充分な、いや、大人に読んでほしい絵本でした。
絵本の帯にはこう書いてあります。
「この物語が忘れられるのを
じっと待っている
人たちがいる。」
ベン・シャーンの描く力強く太い画線に、
胸をぐいぐい貫かれるようです。
第五福竜丸、教科書でサラッと習ったくらいで漠然とした知識しかありませんでした。
ああ、いつもこうした現実を知るたびに、心が静かになってゆきます。
怒りで静かになってゆきます。
この今の世の中の仕組み(宇宙の摂理とはまた別の)を作っているのが、
たくさん勉強をして、
勉強ばかりをしてきたエリートのみなさんで、
原っぱのにおいや、
日だまりで飲むお茶の美味しさや、
生態系の神秘や美しさや、
お金では買うことのできない諸々に触れることなく大人になってしまったのかもしれないと想像します。
(たくさん勉強するのは悪いことではもちろんなくて、知識があることは鎧となり自らを守ることになるので、バランスの問題だとは思いますが。また、この世に何をしにきたかにもよるのでしょうが。役割は人それぞれ。)
震災後、テレビの中で懸命に
「ぼくは悪くないんです」
というスタイルを通していた、まるで銀河連邦局の制服のようなコスプレ姿の、かつて少年だった人たち。
ちいさい5歳くらいの男の子に見えてきます。
お母さんに怒られないよう、必死に嘘やごまかしを並べて、お母さんの怒りから逃れようと。
そこまでお母さんが追い詰めてしまうのも、きっと問題で。
追い詰めてしまうお母さんのお母さんやお父さんも、子供を詰問し大人気なく追い詰めてしまう人だったんだろうか。
話が飛びました。
精神年齢が伴わないまま(不幸にも、心の豊かさについて導く大人が周りにいなくて)、そのまま体は大人になり、たくさん勉強したので、またはコネで、技術と経済力と権力を持ち。
やっていいことと
やってはいけないことの区別はつかないまま。
ああ、
もしくは、
きっと地球人ではないのでしょう。
友好的な善い宇宙人ではない方の方々でしょう。そう思わないと不思議で仕方ない。
go home !
ベン・シャーンの展覧会が、現在、福島県美術館で開催されているそうです。→http://benshahn2011-12exh.info/
迫力がありそうなので体調万全で臨みたいです。
知らないことばかりです。
いつもお客様に教えていただきます。
ありがとうございます。
ちなみに、この絵本は、大飯原発のある福井県の、『福井県優良図書』に推奨されています。