もうすんだとすれば これからなのだ
あんらくなことが苦しいのだ
暗いからこそ明るいのだ
なんにも無いから すべてがあるのだ
見ているのは見ていないのだ
分かっているのは 分かっていないのだ
押されているので押しているのだ
落ちていきながら昇っていくのだ
遅れすぎて 進んでいるのだ
一緒にいるときはひとりぼっちなのだ
やかましいから静かなのだ
黙っている方がしゃべっているのだ
笑っているだけ泣いているのだ
ほめていたら けなしているのだ
うそつきは まぁ正直者だ
おくびょう者ほど勇ましいのだ
利口にかぎってバカなのだ
生まれてくることは死んでいくことだ
なんでもないことが大変なことなのだ
まどみちおさんの詩「もうすんだとすれば」