いつも行く本屋さんに
柘植文さんの新刊を買いに行きました。
本の大きさが普通の単行本とは違うので
検索機で在庫や置いてある本棚の場所を
探した方が早いよね、と
検索機で検索すると
在庫あり、本棚はこちら、と
親切に表示され、
コンピューター社会の恩恵を噛み締めながら移動しようとすると
【指定の本棚にないときは係員へお尋ねください】という紙が検索機に貼ってあるのに気づきました。
デジタル対アナログ?
Why?
一瞬深く考えそうになりましたが
コンピューターを信じて
本棚へ向かいました。
その指定された本棚は
空っぽでした。
【現在、文具コーナーを拡大するために
本を移動中です。お探しの本は係員までお尋ねください】的な
お知らせが貼ってありました。
係員の方に聞くのが
すこしためらわれるアラフィフです。
だから検索機を使ったのです。
いい歳して漫画を探してウロウロして
係員の人にさまざま心配されてしまう。
自力で探そうとしましたが
どこにあるかさっぱりわからなくて。
在庫はあると、
コンピューターは提示したのですから
きっとどこかにはあるんです。
ぐるぐるまわりすぎて
店員さんが怪しんで警戒されてしまう前に
降参です。
もう一回検索機へ戻り、本の情報をプリントアウトして
店員さんに頬を赤らめながら
この本はどこにありますか?と。
店員さんは大変親切なので
少々お待ちください、と嫌な顔ひとつせずに、
ダッシュで私がさっきまでぐるぐるしていた本棚へ駆けてゆきました。
待つ時間は長く感じるものです。
いや、長いぞ。
かえって、店員さんに申し訳なくなってきました。
店員さんが戻ってきました。
申し訳ありませんが、本が見当たらなくて。
いえいえ、こちらこそお忙しい中申し訳ありません。
そんなやりとりをしながら
どうしても柘植文さんの毒に今夜は当たりたい、と思っていたため、
じゃあ、こちらをいただいてかえります、と
レジに走って持ってきたのは
柘植文さんの他の本。
野田ともうします、の最終巻です。
よい毒でした。
本棚に置いてあります。
読みたい方は、コーヒーや紅茶などのお供にどうぞー。