アイスコーヒーと江戸
昨年の夏は、平岩弓枝さんの『御宿かわせみ』シリーズ。
そして今年の夏は、池波正太郎さんの『剣客商売』シリーズを読破しておりました。
思えば三年前に、すみれさん(http://ameblo.jp/shimmer-iris/)から時代小説のおもしろさを教えていただき、あっという間に江戸の世界にハマってしまったのでした。
剣客商売は全部で16巻。
一冊読んでから、次の巻を買いに本屋さんへ行くのですが、どうやら途中からライバルが出現し、私より一歩先に私の欲しい巻を買っている方がいらっしゃるようで、本屋さんでの攻防戦も楽しみながらの読破でした。
ついに最後となる16巻を買いに行った昨夜。
「やられた!」
16巻のみ無くなっておりました。
仕方ないのでもう一軒ある本屋さんに行きましたがなんとこちらも16巻だけ売り切れ。
見えない敵との攻防戦に負けた気分になりかなり落ち込みましたが、もう一軒近くに、こちらは古本屋さんがあるのを思いだし、ダッシュで向かいます。
閉店は22時。まもなくです。
いい年をした女性が走って入店したのではあまりに怪しいので、はやる気持ちを内に秘め、静かにまっすぐ文庫コーナーへ向かいます。
あった、ありました。見えない敵との戦いに勝った!と思いましたが、こちらの本は新装版ではありませんでした。
新装版で集めていたので、これでは本棚に並べたとき最終巻のみ古いタイプになってしまいます。
暫く考え、今夜読みたいという欲求に負け、本を手にレジへ向かいました。
最終巻もハラハラドキドキワクワクの時間をいただき、シリーズを読み終えた一抹の寂しさと充足感に満ち足りた気持ちで、最後のページにある常磐新平氏の解説を読みました。
そこで、ものすごい間違いを見つけてしまったのです。
え?
え?
これは、もしや新装版では手直しされているかもしれない、と、確認のためやはり新装版を探すハメになりそうな予感。結局、見えない敵との戦いに敗けてしまったようで非常に悔しい思いと、もやもやとした変な気持ちを味わいました。
【だか、伊太郎はお篠に別れを告げる。江戸を離れるからであるが、しかし「江戸へもどったなら、また、お前と暮らそうよ」と約束し、お篠がそれは本当かとたずねると、「私は、女に嘘を言わぬ男だよ」とタンカを切る。】と解説にあるのですが。
本文では、母がわりになって育ててくれた女中のお元に対して、別れ別れになるその嘆き哀しみを、伊太郎が明るく励ましたセリフなのです。
すごくよいシーンだったので、間違った解説がとても残念なのでした。
さてさて、みなさまの夏は、どんな夏でしょうか。
今年の夏は読書ばかりしていて体がなまってきたので、スポーツの秋にむけて体力作りに励みたいと思います。
写真は当店自慢のアイスコーヒー。
フレッシュなのに深みのある香りが口の中から鼻腔へと広がります。550円です。
読書のお供にいかがでしょうか。
本日もご覧いただきましてありがとうございます。
みなみなさまに、心からの感謝をこめまして。
素敵な新月の夜をお過ごしください☆
aki
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