メキメキえんぴつ
妹が本を貸してくれました。
『メキメキえんぴつ』です。
うわ〜、懐かしい!
トラウマ絵本として心に深い傷をつけたこの本。
でもその傷跡は、
なんだか目が離せなくなるような、
カサブタはがしてもう一度痛みを味わいたいような、
小学生だった私たちに不思議な感覚を残しています。
「復刊ドットコム」という出版社から28年ぶりに復刊となったのだそうです。
復刊ドットコム→http://www.fukkan.com/
いい加減に大人になった自分ですが、
やっぱり怖かった!
そしておもしろかった!
いま、21世紀を生きる小学生のみなさんにも、ぜひ味わっていただきたい作品です。
作と絵を、大海あかしさん(赤を2つ書いて、あかし、という漢字です)が手掛けられています。
絵がこれまたすごい。
原画展とかないかしら。
鳥肌たてながら見たいかんじです。
お話は、不条理な夢の中の話のようですが、作者の伝えたいこともちゃんとシンプルに伝わってくるので、子どもたちの心に響くと思います。
そして、大人が読んでもきっと面白いので、ぜひ子どもたちと一緒に読んでみてください☆
大海あかしさんは最後に、「新あとがき」を書き下ろしていらっしゃいます。
以下、「新あとがき」から。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
新あとがき 大海あかし
ぼくは、とっても臆病な子でした。夜は暗い所に、一人では行けませんでしたし、昼間でも幽霊話など、こわくて聞けませんでした。母に死なれるのが、ものすごくこわかったものですが、やがて、自分自身の死をひどくこわがるようになりました。ぼくが宗教というものを真剣に求めたのも、臆病が原因でしょう。
しかし、やがて臆病は数々の怪奇的な作品を生みます。「メキメキえんぴつ」も執筆中の「童話チミモーリョー図鑑」も、臆病の産物です。
「あなたのエラサはなんポッチ?」は、会心のデビュー作です。
童話作家の中で、ぼくが最も敬服している人は、日本では「河童」の芥川龍之介、海外では「ガリバー旅行記」のスウィフトです。
お二人とも諷刺の天才です。諷刺は日本では歓迎されませんが、社会を痛烈に批判するのに最高の、垢抜けした手法です。
どの世界でも、少し偉くなると、人はたちまち傲慢不遜になり、そのうえ周りの連中がこの人を「先生」「先生」ともてはやすので、いつの間にか大馬鹿者になり変わっているのにお気づきになったことはありませんか?
また、偉くならない人でも、むやみに未開の民族を蔑視したり、人間以外の生物を平気で虐待したり、虐殺したりしていませんか?
人類は、ちっぽけな知恵・才能を鼻にかけて、今も地球を我が物顔に、横行闊歩しています。が、そんな愚かさは、やがて人類を破滅へと導くことでしょう。
どんなにエライ人でも、自分のエラサを冷たく評価できない者は、蛆虫にも劣ります。
「あなたのエラサはなんポッチ?」は、こうした世上のエラサに疑問をたたきつけた作品です。
皆さん、真の偉さとは何かをもう一度考えてみましょう!本当に偉い人は、新聞・雑誌・テレビではなく、意外にあなたの身近にいて、ひっそり日なたぼっこでもしているかも分かりませんよ。
「メキメキえんぴつ」が、二十八年ぶりに皆様の熱いご支援出によって、復刊しました!
作者として、こんなに大きい、望外の歓びはありません。有難うございました。
また、この本を刊行するのにご尽力を戴いたブッキングの佐田野渉様と染谷恵司様には、厚く厚く御礼申し上げます。(2004・12・7)
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大海あかしさんHP→http://homepage2.nifty.com/akasiooumi-4074/
小学生のみなさん、夏の読書感想文に、いかがですか☆
『メキメキえんぴつ』です。
うわ〜、懐かしい!
トラウマ絵本として心に深い傷をつけたこの本。
でもその傷跡は、
なんだか目が離せなくなるような、
カサブタはがしてもう一度痛みを味わいたいような、
小学生だった私たちに不思議な感覚を残しています。
「復刊ドットコム」という出版社から28年ぶりに復刊となったのだそうです。
復刊ドットコム→http://www.fukkan.com/
いい加減に大人になった自分ですが、
やっぱり怖かった!
そしておもしろかった!
いま、21世紀を生きる小学生のみなさんにも、ぜひ味わっていただきたい作品です。
作と絵を、大海あかしさん(赤を2つ書いて、あかし、という漢字です)が手掛けられています。
絵がこれまたすごい。
原画展とかないかしら。
鳥肌たてながら見たいかんじです。
お話は、不条理な夢の中の話のようですが、作者の伝えたいこともちゃんとシンプルに伝わってくるので、子どもたちの心に響くと思います。
そして、大人が読んでもきっと面白いので、ぜひ子どもたちと一緒に読んでみてください☆
大海あかしさんは最後に、「新あとがき」を書き下ろしていらっしゃいます。
以下、「新あとがき」から。
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新あとがき 大海あかし
ぼくは、とっても臆病な子でした。夜は暗い所に、一人では行けませんでしたし、昼間でも幽霊話など、こわくて聞けませんでした。母に死なれるのが、ものすごくこわかったものですが、やがて、自分自身の死をひどくこわがるようになりました。ぼくが宗教というものを真剣に求めたのも、臆病が原因でしょう。
しかし、やがて臆病は数々の怪奇的な作品を生みます。「メキメキえんぴつ」も執筆中の「童話チミモーリョー図鑑」も、臆病の産物です。
「あなたのエラサはなんポッチ?」は、会心のデビュー作です。
童話作家の中で、ぼくが最も敬服している人は、日本では「河童」の芥川龍之介、海外では「ガリバー旅行記」のスウィフトです。
お二人とも諷刺の天才です。諷刺は日本では歓迎されませんが、社会を痛烈に批判するのに最高の、垢抜けした手法です。
どの世界でも、少し偉くなると、人はたちまち傲慢不遜になり、そのうえ周りの連中がこの人を「先生」「先生」ともてはやすので、いつの間にか大馬鹿者になり変わっているのにお気づきになったことはありませんか?
また、偉くならない人でも、むやみに未開の民族を蔑視したり、人間以外の生物を平気で虐待したり、虐殺したりしていませんか?
人類は、ちっぽけな知恵・才能を鼻にかけて、今も地球を我が物顔に、横行闊歩しています。が、そんな愚かさは、やがて人類を破滅へと導くことでしょう。
どんなにエライ人でも、自分のエラサを冷たく評価できない者は、蛆虫にも劣ります。
「あなたのエラサはなんポッチ?」は、こうした世上のエラサに疑問をたたきつけた作品です。
皆さん、真の偉さとは何かをもう一度考えてみましょう!本当に偉い人は、新聞・雑誌・テレビではなく、意外にあなたの身近にいて、ひっそり日なたぼっこでもしているかも分かりませんよ。
「メキメキえんぴつ」が、二十八年ぶりに皆様の熱いご支援出によって、復刊しました!
作者として、こんなに大きい、望外の歓びはありません。有難うございました。
また、この本を刊行するのにご尽力を戴いたブッキングの佐田野渉様と染谷恵司様には、厚く厚く御礼申し上げます。(2004・12・7)
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大海あかしさんHP→http://homepage2.nifty.com/akasiooumi-4074/
小学生のみなさん、夏の読書感想文に、いかがですか☆
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