本屋さんで本探しをしていたら、
自動ドアのあたりに小さい男の子。
2歳になるか、ならないか。
自動ドアに挟まりそうで、
あぶないよ、と声をかけようとしたら
近くにお父さんがいたようで
「ほら、あぶないだろ。」と腕を乱暴に掴んで。
どうやら、その男の子が欲しいと言ったか欲しいそぶりをしたか、興味をしめしたかした本を
おばあちゃんが買ってあげた様子。
ビニール袋に入った子ども用の本。
おばあちゃんが、ほら、と男の子に突き出している。
おばあちゃんの息子らしきお父さんが
「ほら、ありがとう、は?!」と強要。
おばあちゃんまで
「ありがとう、が言えないなら、この本あげない。」と本をあげないフリをしながら言い出す。
目が離せなくなって、見ていると、
2歳の男の子が私を見て、苦笑いのような困った表情を浮かべた。
いたたまれない!!
なんなの、このコント。
ありがとう虐待?
ありがとう、と言わせることで躾ができる良いパパを母の前で見せたいお父さんと、
ありがとうと笑顔という2歳児の無邪気なエネルギーを貪り取ろうとしている祖母。
そして、黙り続ける嫁。
いたたまれない!
さらに
ありがとう、は?
の大合唱。
2歳児が、いい大人に囲まれて。
不良にからまれた大人しい会社員に見えてきました。
どうやって助けたら?
そこに!
なんと、うしろからおじいちゃんが登場!
黙って本の入ったビニール袋をおばあちゃんからもぎ取り、
2歳の孫の手をつなぎ、
外へ出る自動ドアを開けて去ろうと。
おお!救世主!
男の子もおじいちゃんと手をつなぎ、安心したように外へ出ようと。おじいちゃんのことは好きなんだな、と伝わってきました。
なのに、今度は、自動ドアのセンサーボタンを2歳児に押させよ!とお父さんが騒ぎ出す。
こいつ、もう自分で自動ドアのセンサー押せるんだぜ?的なアピール。
はあ、はあ。見ていて息切れ。
大変だなあ、2歳児も。
コントロールドラマでいうと、
おばあちゃん、お父さんが尋問者で、
2歳児は犠牲者で、
嫁は傍観者、
救世主に見えたけどおじいちゃんも普段は傍観者ではないかしら。
がんばれ、孫!
エネルギーの奪い合いを
コントロールドラマで見て見ました。
2011年の春のバラエティ番組内で
生物学の専門家、池田清彦先生は、
【ありがとう、を言うときは本心から言わないと体に影響する。
子どもに、ありがとうを強制すると
心が卑屈になり悪影響がある。】
とお話していました。
気をつけたいと思います。
子どもは親の真似をするし、親の様子をよく見ているから、
親が小さい子どもの代わりに
相手に「ありがとうございます」と
伝えていれば
いつか急に、ちゃんとありがとうを心から言えるようになるんだよなあ。
おままごとで、はい、どうぞ、
はい、ありがとう、
のお約束遊びがありますが
あれはまた別。
子どもに強制するのが問題。