あちらとこちら
空にふたがされているような
重い雲がたちこめている夕方
重い雲がたちこめている夕方
窓の外は
黄色いチョークの粉をまいたように霞んでいる
夢の中の景色と同じ色だ
長い夢をみていた
はしっても
はしっても
お家にたどりつかない
足元がぐらつくような夢
ああ
去り行くときは一人なんだなと思いだし
自分の存在が頼りなく底なしに寂しくなる
こんな夢をみたときは
体にたましいがもどるのに
ちょっと時間がかかる
もう一眠りなんて
やってしまったら
たぶん
金縛りになるんだな
これが
外の景色は
相変わらず黄色くて
わたしは
わたしの腕をつねって
「よし。」
立ち上がって
ジャンプして
「帰還完了。」
お盆が近いからか
こちらとあちらの壁が
すこし薄いようで
そんなときこそ
つねって
ジャンプして
オッケーオッケー
大丈夫
鏡に向かって
ニッカリと微笑んで
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