カフェモンサンルー

2013/01/23

連続刊行

読み出したら徹夜になることはわかっていたので
ゆったりできる前の日に買おうと考えていた本を
ゆったりできる予定がないまま日にちが過ぎてゆくのでついに二冊同時に買ってしまいました。
ふと目に入ったのは、本屋さんのゲームコーナーに、保育園バックのようなリュックを背負った5歳くらいの男の子がポツンと一人。
時間は夜の9時を過ぎています。
気になりながらも探しものがあったため、ぐるりと店内をまわり、再び戻ったときにもまだ一人でポツンと。
ゲームのプロモーション映像が延々と流れるモニターの前で釘付けの様子。
「世界の亀山モデル」とテレビにシールが貼ってあります。
どうりで画面もきれいだなあと、映像を私も何気なく見ていました。
「この映像にはグロテスクな場面や残酷なシーンが含まれています。」
というテロップ。
夜の9時。保育園児が一人で延々と見ている映像は、気味の悪いロボットが出てきたり、
人が切り裂かれたりしていて。
だ、大丈夫なのかい?
不安になってしまった私はちびっこに声をかけてみました。
「ずっと見てて怖くないの?」
「うん」
「一人で来たの?」
「ママと」
「ママは?どこ行った?」
「本を見に行った」
・・・・・。
ちびっこは、まばたきもしないでずっと画面をみいっています。
あまりのリアル映像に、私のほうが気持ち悪くなってきました。
ちびっこの顔、表情は、目が鋭くなっています。
知らないちびっこですし、もともとの顔がわからないからなんともいえないけれど、
ケンがある、というか、陰があるというか。
せつなくなって、ママを一緒に待つことにしました。
10分くらいたって、「ママ」がいらっしゃいました。
「残酷シーン満載ですが見せてて大丈夫なんですか?」とたずねると、
「この子には大きいお兄ちゃんがいて、お兄ちゃんのやってるゲームで普段から見ているので大丈夫です。この子、このゲーム大好きなんですよ。」
無事に再会を見届けたので、私も帰ることにしました。
ちびっこのいたところを振り返ると、ママに何回も「帰るよ」と呼ばれても、
世界の亀山モデルの画面から目を離さず、応えもしないちびっこの姿が見えました。
 
かなしい気持ちの帰途でした。
ちびっこの気持ちを考えても悲しかったけれど、
あの時間にちびっこが一人30分以上も放置されていても、だれも、お店の人も、声をかけたりしないんだなあ。
何かあったときではおそいのだけど。
ちょっとだけ自分の時間がほしいお母さんの気持ちもわかるけれど、
やるせないことでした。
そして、子供も見るのを前提としたプロモーション映像を公の場ではお願いしたいと思いました。
まだちいさいその目にその耳にその脳に
残酷なものはいれなくていいよ。
それとも、なにかあって、似たようなことがあって、残酷なシーンを見て相殺しているのかい。
何が正しいかなんてわかりませんが
本当にやるせなくせつない夜でした。
自分には関係ない、なんてことはない。
すべては連鎖しあっているのだもの。
 
カフェモンサンルー