カフェモンサンルー

2015/10/14

アミ3度目の約束

偶然、目に入った本棚の本。

久しぶりに読むアミシリーズ。
【アミ三度目の約束/エンリケバリオス】
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アミは以前、100%の悪人はいないって言ったことがある。
ぼくはそれを思い出して言ってみた。
「ぼくは人間そのものについて話したんだよ、その実体でなくてね。
その実体にとって人類の未来なんかどうでもいいんだ。
いや、それどころか、その正反対だ。
さっきも言ったけどヤツの目的は光がとどくのを阻止すること。
だから、あらゆる手段を使って、あるおそろしい武器をまきちらそうとしているんだ。
その武器は人々や世界の上に、いちばん暗い闇を、そしていちばん低いエネルギーや振動を生じさせるんだよ。」
「その武器ってなんなの?アミ」
「麻薬だよ」
とアミはぼくたちの目をしっかり見て言った。
アミの口からその言葉を聞くのはおそろしかった。
「麻薬中毒の若者が多い世界は、未来が暗いよ。
人類の敵があやつる人たちによって支配されるようになる。
麻薬におかされると、人は知性がにぶり、感情がまひしてしまう。
そうなるとそのひとじしんのいちばん低い次元と結びつき、
そこで暴君は彼らを自分の思うようにあやつれるようになる。
だからこそ、そういう状態にいるひとたちは、まわりのひとがびっくりするような犯罪をはたらいたりするんだよ」
ぼくたちは身震いした。
「彼らは、いってみれば犠牲者みたいなものなんだよ。
かわいそうに、ネガティブなエネルギーが彼らめがけて集中するようになってしまって、まさに暴君のつごうのよいようになるんだよ。
だって、世界の中で暗闇が大きければ大きいほど暴君はより支配しやすくなるからね」
「ああ………わかるよ、アミ……」
「それから、もうひとつ、人々を"麻薬づけ"にするだけが暴君のやり方じゃない。
利己的な主義主張でもって、暴力やはじ知らずな行為で戦わせるのも、ヤツお得意の手なんだよ」
「どういうこと?それ?」
「あるひとたちにとって、唯一興味あることはそのひとじしんだ。
あるいは、そのひとの家族や子どもだけだ」
「それのどこが悪いの?」
「いや、悪くない。われわれが愛するひとはとうぜんのことながら面倒をみて、守らなければならない」
「じゃ、どこが悪いの?」
「その"唯一"という言葉だよ。野生の動物だって自分の子どもを守ろうとする。
それはそうすべきだし、とうぜんのことだよ。逆にいえば、もし、そうしなかったとしたら、まったくひどい話よ、そうだろう。
でも、それ以外のひとのことはどうなの?……」
「ああ、なるほどね、わかったよ」
「いろいろな組織や団体やグループがあるよね。
政党とか思想集団とかスポーツ団体とか。
それだけじゃなくて、人種や民族や国籍や宗教、社会階級、あるいは会社や住んでいる場所−−−町とか村とか−−−でもいいんだけど、
とにかくひとっていろんなところに属しているんだ。
そして自分が属しているところには愛着がある。
それもとうぜんのことなんだけど、
それが暴君のねらいどころになりやすいんだ。
ヤツは、"唯一"自分の属している"党派"だけが重要であり、
それだけを守るべきだと人々に思いこませようとするんだよ」

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この部分を読みながら、
今朝見たニュース【タクシーを待っていた男性を包丁で刺す。「人を殺してみたかった」】
を思い出していました。
麻薬……向精神薬………。

また、他のニュースでは
【オキシトシンが自閉症にきくかもしれない。治験開始間近】。
オキシトシンは、愛のホルモンと言われ、
出産や子育て、またコミュニケーションにもかかわるホルモン。
医療の現場で使うのは人工的に作ったホルモン。
副作用として、愛情が深くなりすぎて自分の側以外のものに対し攻撃的になるとも。
(動物が、自分の群れではない動物を殺してしまうような)
ステロイドもそうだけれど、簡単に人工的なホルモンを体内に入れることの危うさを思います。

医療の分野に深く入っていた厚生労働省の官僚が逮捕されたニュースもありました。
情報は金になる、などの暴言もあったようです。

アミシリーズを読みながら、
今朝見た一見何のつながりもないようなニュースに
闇のつながりを感じました。

愛はすべてをこえて。

注意深く、感じてゆきたいと思いました。

(美味しい季節の味とコーヒーをごちそうさまでした)
カフェモンサンルー