カフェモンサンルー

2015/06/07

情緒

「人の心をわたし情緒という言葉を使ってます。
情緒が形に現れる。
人は情緒を形に現して生きている、
その情緒が形に現れるとき、喜びを感じる。
それが生きがいです。
真善美、みなそうです。」
【一葉舟/岡潔】

「人の悲しみなどというものを、知的にだけわかったのでは困ります。
その中間のものですと、非常に広いのですが、いつも挙げる例ですが、
秋の日射しがわかる、その趣がわかる、その深々とした趣がわからなければならない。
このほうには、深さにきりがないのです。
これは、情的にわかることですね。
知的にわかるのを「理解する」というのなら、
情的にわかるのは「情解する」とでもいえばよいわけです。
道元禅師はこれを「体取する」といっていますが、身につける、
つまり水をのめばどれくらいの暖かさであるか、味であるか自然にわかる。
それと同じようにわかる。
人の話をきいているうちに、知らず知らず人の心と同じような心になる、やがてはっと我に返って、
あの人の悲しみはこういう悲しみだとわかる。
秋の日射しもそうです。
しばらく我を忘れて見入っているが、
はっと気づいたときに、その情趣がわかるわけです。
だから、「体取」するというのです。」
【岡潔集第五巻】
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