カフェモンサンルー

2018/02/08

マザーチンクチャーの瓶

小さな子どもだったころ、
しょっちゅう発熱し扁桃腺を腫らし、
近くの内科へ通っていました。
その頃の注射の薬は、ガラスの瓶に入っていて、
看護婦さんが「ガシャン☆」と薬液の入ったガラスの瓶を割り、
注射器に吸い込んでいたのを見ていた記憶があります。
ガラスの瓶の色が
緑や、紫や、黄色、だったような記憶があります。
診察室に入るおひさまの光と薬瓶の色。
光の点描で彩られた思い出。
それから、内科の玄関がタイル敷きで
黒やグレーや白の、円や楕円のタイルが敷き詰められていました。タイルを見ると心踊るのはこのときの記憶からかもしれません。
病気をすると、少しだけ母を独占できたようで、
兄弟に申し訳ないような、
でもなんとも言えない甘やかな気持ちもありました。

マザーチンクチャーの瓶は緑色。
おひさまの光を透過させて、記憶と遊ぶひととき。
空き瓶にアイビーを挿したり、ちいさな野の花をいけたりすると、
心が正しい気持ちになってゆきます。
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