カフェモンサンルー

2018/02/24

佐藤忠良さんのことば

小学一年生向けの図工の本「子どもの美術」(1986)に書かれている文章だそうです。
人間が絵を描いたりモノを作ったり表現したり、
それをする意味が書かれているそうです。

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このほんをよむひとへ

ずがこうさくのじかんは 、
じょうずに えをかいたり、ものをつくったり するのが めあてではありません。

じょうずに かこうとするよりも、
みたり かんがえたり したことを
じぶんで かんじたとおりに かくことがたいせつです。
しんけんに ものを つくりつづけていると、
じょうずになるだけでなく、
ひととしての かんじかたも そだちます。
このくりかえしのなかで、しぜんのおおきさがわかり、
どんなひとにならなければならないかがわかってきます。

これが めあてです。

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また、少年たちに向けた言葉もあります。1984年の美術の教科書「美術を学ぶ人へ」より↓↓↓

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「美術を学ぶ人へ」

美術を学ぶ前に、私が日ごろ思っていることを、みなさんにお話します。
というのは、みなさんは、自分のすることの意味─なぜ美術を学ぶのかという意味を、きっと知りたがっているだろうと思うからです。
私が考えてほしいというのは、科学と芸術のちがいと、その関係についてです。
みなさんは、すでにいろいろなことを知っているでしょうし、またこれからも学ぶでしょう。それらの知識は、おおむね科学と呼ばれるものです。科学というのは、だれもがそうだと認められるものです。
科学は、理科や数学のように自然科学と呼ばれるものだけではありません。
歴史や地理のように社会科学と呼ばれるものもあります。
これらの科学をもとに発達した科学技術が、私たちの日常生活の環境を変えていきます。
ただ、私たちの生活は、事実を知るだけでは成り立ちません。好きだとかきらいだとか、美しいとかみにくいとか、ものに対して感ずる心があります。
これは、だれもが同じに感ずるものではありません。しかし、こういった感ずる心は、人間が生きていくのにとても大切なものです。
だれもが認める知識と同じに、どうしても必要なものです。
詩や音楽や美術や演劇── 芸術は、こうした心が生み出したものだといえましょう。
この芸術というものは、科学技術とちがって、環境を変えることはできないものです。
しかし、その環境に対する心を変えることはできるのです。詩や絵に感動した心は、環境にふりまわされるのではなく、自主的に環境に対面できるようになるのです。
ものを変えることのできないものなど、役に立たないむだなものだと思っている人もいるでしょう。
ところが、この直接役に立たないものが、心のビタミンのようなもので、
しらずしらずのうちに
私たちの心の中で蓄積されて、感ずる心を育てるのです。
人間が生きるためには、知ることが大切です。同じように、感ずることが大事です。
私は、みなさんの一人一人に、ほんとうの喜び、悲しみ、怒りがどんなものかがわかる人間になってもらいたいのです。
美術をしんけんに学んでください。しんけんに学ばないと、感ずる心は育たないのです。

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佐藤忠良(さとうちゅうりょう)さんは、宮城県黒川郡のご出身だそうです。
宮城県美術館に、佐藤忠良記念館がありますから、作品に馴染みのある方も多いかもしれませんね。
台原森林公園にあるブロンズ像も佐藤忠良さんの作品だそうです。
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