永瀬清子さんの詩
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
母って云ふものは 不思議な脅迫感にも似た、かなしいもので
わたしの意識の底では いつも痛みを伴つてゐる。
母はほんとに貝殻みたいにもろく、こはれやすく
しかも母の影を負つて生まれたことが、私にはどうすることも出来ない。
つらい、なつかしい夢みたいなもので
目がさめてもいつまでも神経がおぼえてゐる。
どこへ自由に行くことも出来はしない。
一寸動くとすぐこはれて、とげのやうにささる気がする。
実に痛い。どうすることも出来ない。
永瀬清子 「母」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
本屋さんで立ち読みしようと
母の友3月号をパッと開いたら
東直子さんが永瀬清子さんの詩を紹介されていて、
表現の鋭さに美しさに心を掴まれ、
また、東直子さんがその後に
詩の感想を述べられていて、それもまたすばらしかったので
久しぶりに母の友を買いました。
よい雑誌です。
本棚に置いてあります。
興味のある方はどうぞお読みください。
母って云ふものは 不思議な脅迫感にも似た、かなしいもので
わたしの意識の底では いつも痛みを伴つてゐる。
母はほんとに貝殻みたいにもろく、こはれやすく
しかも母の影を負つて生まれたことが、私にはどうすることも出来ない。
つらい、なつかしい夢みたいなもので
目がさめてもいつまでも神経がおぼえてゐる。
どこへ自由に行くことも出来はしない。
一寸動くとすぐこはれて、とげのやうにささる気がする。
実に痛い。どうすることも出来ない。
永瀬清子 「母」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
本屋さんで立ち読みしようと
母の友3月号をパッと開いたら
東直子さんが永瀬清子さんの詩を紹介されていて、
表現の鋭さに美しさに心を掴まれ、
また、東直子さんがその後に
詩の感想を述べられていて、それもまたすばらしかったので
久しぶりに母の友を買いました。
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