カフェモンサンルー

2018/02/05

永瀬清子さんの詩

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母って云ふものは 不思議な脅迫感にも似た、かなしいもので
わたしの意識の底では いつも痛みを伴つてゐる。
母はほんとに貝殻みたいにもろく、こはれやすく
しかも母の影を負つて生まれたことが、私にはどうすることも出来ない。
つらい、なつかしい夢みたいなもので
目がさめてもいつまでも神経がおぼえてゐる。
どこへ自由に行くことも出来はしない。
一寸動くとすぐこはれて、とげのやうにささる気がする。
実に痛い。どうすることも出来ない。


永瀬清子 「母」

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本屋さんで立ち読みしようと
母の友3月号をパッと開いたら
東直子さんが永瀬清子さんの詩を紹介されていて、
表現の鋭さに美しさに心を掴まれ、
また、東直子さんがその後に
詩の感想を述べられていて、それもまたすばらしかったので
久しぶりに母の友を買いました。
よい雑誌です。
本棚に置いてあります。
興味のある方はどうぞお読みください。
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