3月の終わりになると
吉野弘さんの詩を思い出します。
メモします。
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burst─花ひらく
吉野 弘
事務は 少しの誤りも停滞もなく 塵もたまらず ひそやかに進行しつづけた。
三十年。
永年勤続表彰式の席上。
雇主の長々しい賛辞を受けていた従業員の中の一人が 蒼白な顔で 突然 叫んだ。
─ 諸君!
魂のはなしをしましょう
魂のはなしを!
なんという長い間
ぼくらは 魂のはなしをしなかったんだろう ─
同輩たちの困惑の足下に どっとばかり 彼は倒れた。つめたい汗をふいて。
発狂
花ひらく。
─ 又しても 同じ夢。
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